#46 拮抗筋

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回のテーマは「拮抗筋」です。
 

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◻️筋肉のウラオモテ
筋肉は「一方向に(のみ)縮む」ことはできても、「自ら伸びる」ことはできません。
 
例えば肘を曲げる時には、「上腕二頭筋」が縮むことによって動きます。一方で腕を伸ばす時には、この「上腕二頭筋」自体が、自らを伸ばすことはできません。そこで、上腕二頭筋の裏側について逆の働きをする「上腕三頭筋」が縮むことによって、肘が伸びていきます。上腕二頭筋は自ら伸びているのではなく、上腕三頭筋の収縮によって起こる力で伸びているのです。
 
このように、筋肉には必ず逆の働きをしてくれる「拮抗筋」が存在します。関節を曲げる方向に動かす筋肉が「屈筋」、伸ばす方向に動かす筋肉が「伸筋」と呼ばれるものです。
 
それぞれの筋肉は、必ず自分を伸ばしてくれるパートナーをもっています。例えば、前述の「上腕二頭筋に対する上腕三頭筋」、「大腿四頭筋に対するハムストリングス」です。
 

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◻️拮抗筋を意識的に使ってみる
筋力トレーニングのような運動の場合、この「拮抗筋」が筋肉を伸ばす作用を重力やバーベルなどの負荷が代替してしまうので、拮抗筋はあまり働きません・・。
 
この拮抗筋にアンバランスが生じしっかり働かないと、筋肉が縮みっ放しになってしまい、やがて運動が下手になってしまう可能性が高くなります。それが長く続くと、慢性的な障害につながる危険性も出てきます。

運動によっては拮抗筋同士が共収縮することで、関節にかかる強いストレスを防いだりもしていますので、拮抗筋同士はバランスよくトレーニングしなければいけません。
 
体の前面に位置し、屈曲頻度が高い筋肉は、負荷がかかりやすいのかもしれません。

例えば「上腕二頭筋」「大腿四頭筋」などは、重力に逆らい物を持ち上げる(=屈曲)動作が頻繁です。
 
荷物を持ち上げ下げる際に、本来であれば「拮抗筋」が担う「筋肉を伸ばす」作用を、重力が邪魔してしまっているのかもしれません。そのため、体の表面に位置する「二の腕前面」「太もも前の筋肉」が大きく太くなって張りやすく、逆に裏面にある「二の腕裏面」「太もも裏の筋肉」がうまく働かない、といえそうです。
 
そういった意味でも、ヨガの中で積極的に「伸展」動作を取り入れることは、拮抗筋をほぐし鍛える上で重要なんですね。
 
さらに「小胸筋」と「僧帽筋」も拮抗の関係にあるようです。上記と同様、「小胸筋」も肩を前に出す「屈曲」動作で働く筋肉なので、この「小胸筋」は使いすぎで凝りやすいのかもしれません
 
ではこの屈曲した肩をおろすときに「背中側の拮抗筋が働いてるな~」と意識するかというと、していないと思います。重力に従って無意識に肩を下ろしているでしょうし、それが本来「僧帽筋」が担う「筋肉を伸ばす作用」を阻害しているといってもよいと考えます。つまり僧帽筋がうまく使えていないということです。
 
これらを踏まえて、ヨガでポーズをとる際にも、以下のことを意識すると効果的かもしれません。
 
●屈曲からニュートラル位(もしくは伸展位)に動かす時には、拮抗筋を意識してみる
●積極的に「伸展」「後屈」ポーズを取り入れる(シャラバ、ダヌラ)
 

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筋肉の動きを効率よくスムーズにしたければ、拮抗筋に着目するのも一つの手かもしれません。