#50 大腿方形筋

 

こんにちは。

ヨガインストラクターのuriです。

 

今回のテーマは「大腿方形筋」です。 

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◻️大腿方形筋と梨状筋
殿部深層にある「梨状筋・大腿方形筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋」の6筋を指して「深層外旋6筋」と呼びます。その名のとおり大腿を外旋させる働きをし、「まっすぐ立つ」「つま先を外に向ける」といった動作で使われます。

 

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以前「梨状筋」を取り上げましたが、今回は「大腿方形筋」を学びます。

 

その他4筋である「内・外閉鎖筋、上・下双子筋」は、基本的に「外旋」の作用のみであり(内閉鎖筋は内転作用もありますが)、6筋の中でもより強く作用する「梨状筋」と「大腿方形筋」を比較しながら理解していきます。

 

「起始・停止」で比べる
・梨状筋は、起始「仙骨前面」⇔停止「大腿骨大転子の上縁」

・大腿方形筋は、起始「坐骨結節」 ⇔ 停止「大転子の後面下部」

 

「大腿方形筋」は相対的に大きい筋肉ではないものの、強力な外旋筋。骨盤からほぼ水平に大腿骨に付着しており、骨盤から伸びる脚の、地面への着地角度に関わることから、両踵をしっかりつけてまっすぐ立つ作用があります。

 

「外旋」以外の作用で比べる
・梨状筋は、外旋と「外転」。

・大腿方形筋は、外旋と「内転」。

 

上記の通り、両者とも「起始は同じ骨盤部、停止は大腿骨」なのに、なぜその作用が「外転」「内転」と異なるのかを考えました。

 

「梨状筋」は起始の位置が高く、低位に位置する停止へ筋が繋がっているため、外転することで起始と停止の位置が水平になり筋肉が縮む、「大腿方形筋」はもともと起始と停止が水平の位置にあるため、内転させると起始と停止が近づき、筋肉が縮むのだろうと考えました。(個人的な見解です。)


◻️大腿方形筋にアプローチする
なかなか表層から触りにくい筋肉ですが、収縮する際(=内転時)のを触知できます。大腿方形筋周囲の軟部組織の滑走性をあげると股関節の動きがスムーズになります。

 

まず坐骨結節を触ります。大転子に向かって指3本分くらい触れるところがあるので、ここに対してただほぐしを入れます。坐骨結節に付着するハムストリングスが硬い時には、大腿方形筋をほぐすと効果的です。


股関節を内転させるポーズといえば・・ガルダアーサナやゴームカアーサナなど、脚を組むもの。

 

他には、骨盤・股関節を前額面(左右)でスライドさせるトリコナアーサナ。わかりやすく股関節を内転をしているわけではないのですが、側屈と逆側の股関節部は「大腿方形筋」の起始停止が接近しており、筋収縮が発生しているのでは?と考えます。

 

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ウォーミングアップでおなじみの「両膝をつけたまま左右に倒す」ストレッチは、体幹を中央に保ったまま行うと効果的です。その際に膝をスムーズに左右に倒せる場合は、この「梨状筋」と「大腿方形筋」のバランスが取れているといえるのではないでしょうか。

 

普段はその存在を意識しない筋肉を感じながらポーズをとると、より良い効果が得られるかもしれません!