#56 私のヨガ勉強法④

 

こんにちは。

ヨガインストラクターのuriです。 

 

今回のテーマは「私のヨガ勉強法④」です。 

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◻️マインドフルネス・瞑想とは

解剖学や生理学など「フィジカル的な効果」ついては知識を深めてきたものの、


マインドフルネスや瞑想などの「メンタル的な効果」については、もっと勉強したい…!と思い、

 

まずは雑誌「Yogini」を読んでみました!

 

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「瞑想」と聞くと「どうやってやるんだろう?」と、少しとっつきにくく感じるかもしれません。


それもそのはず。瞑想には、ヨガの瞑想や仏教の座禅、現代のマインドフルネスなど、さまざまな種類が無限にあるらしいのです!


そんな多種多様な「瞑想」ですが、ひとつ共通するゴールがあります。

 

それは「自分とは何かに気がつくこと」。自分に合った瞑想を見つけて、自分を俯瞰して観察することが大切です。


マインドフルネスや瞑想はスピリチュアルな要素を帯びたものだけではなく「メンタルを整える」という意味で、ロジカルに説明できるものです。


例えば、脳でストレスと認識された刺激は、自律神経系や内分泌系、免疫系を介して全身に伝達され、身体的・精神的な不調をきたすと言われており、


マインドフルネス・瞑想することで、リラックス効果をもたらす副交感神経が優位になり、不調が改善するとか。


また「脳は成人しても成長し続ける」との説もあり、マインドフルネスはその一助になるという説もあるそう。

 

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そうしたエビデンスがあるからか、アスリートがメンタルトレーニングとして瞑想を取り入れたり、アメリカでは教育現場への導入、日本では厚生労働省がその効果を認めたりと、

 

ヨガや瞑想の効果が幅広く認知され、応用されています。


◻️「五感が外側に向きすぎている」

人間は、自分自身のフィルターを通して物事をジャッジしてしまいがち。


そうすると、事実を事実のまま受け取ることができなかったり、あれやこれや余計なことを考えてしまって、自分自身を苦しめてしまうことも。


そういった人間の性質も踏まえて、瞑想のポイントを一言で表すと…

 

「今、この瞬間の、目の前の出来事、モノを、ありのまま観察する」と言えそうです。

 

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私は基本的に「心を整えるためには、まず体を整える」派なのですが、

 

本当に心が疲れている時は、少し動くのもしんどい…動きたくない…ということもあると思います。

 

そういったとき瞑想は、ヨガをしたいと思える状態まで心を整える「心のウォーミングアップ」ともいえるかもしれません。

 

この誌面に「シャバーサナの科学」という興味深い記事があるので、ぜひ読んでみてください!

 

#55 膝下のねじれ

 

こんにちは。

ヨガインストラクターのuriです。 

 

今回のテーマは「膝下のねじれ」です。 

 

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◻️膝下O脚とは?

膝下O脚は、膝下が大きく外へ膨らんだ状態を指します。正面から見てみると、ひざから下が外側に膨らんだように湾曲しています。

 

ほとんどの場合、ひざ下の骨は真っ直ぐなのですが、脚の外側に過剰に筋肉がついて曲がっているように見えてしまいます。

 

また、膝関節がゆがんだ事で、膝の後ろにある膝窩動脈が圧迫されます。血流が悪くなるので、むくみや冷えを引き起こします。

 

脚の外側に筋肉がつくと、その影響で骨が引っ張られてパランスが悪くなり、さらに脚の外側に筋肉がついてくという悪循環も。すると、どんどん脚が太くなってしまいます。ひどくなると、すねの骨が外側にずれてしまい、膝関節のアライメントは脛骨からの軸が大腿骨の外側に変位します。

 

◻️O脚になる3つの原因

 

・変形性膝関節症のような構造的内反(脛骨外方弯曲含む)

・運動連鎖に伴った機能的内反

・代償に伴った機能的内反

 

このうち「運動連鎖に伴った機能的内反」「代償に伴った機能的内反」についてみていきます。

 

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運動連鎖に伴った膝関節の機能的内反

起点は、大雑把にいえば「骨盤の後傾」あるいは「足の回外」です。

 

足部の回外(踵骨内反)の場合は、足部外側縁に体重をかけ膝は内反傾向となり、股関節は内転位になります。

 

つまり脚が、関節部を起点に時計回りに外に向くと、小指側に重心がかかります。そうすると膝下の脛骨は、同じように時計回りに捻じれるか(=O脚)、捻じれずに留まる、または逆方向(内側)に捻じれる(=膝下O脚)ということだと考えます。

 

こういった場合は、足部から膝、股関節、骨盤へと支持性を伝達していくポーズが有効です。

 

両足で立つと、骨盤の左右差や、左右の脚で異なった歪み方をしている場合に、それぞれの脚のねじれを正しく認識・修正しづらいので、片足立ちで行うとわかりやすいです。


いつも通り、足裏から丁寧に見ていきます。足裏3点でしっかりと踏み込む。特にこのタイプのO脚は、先述の通り「小指側に重心がかかる」傾向があるので、意識的に親指側にも均等に重心を乗せます。

 

そこから、足を回内。外側に傾いている膝下脛骨を内旋するのに連動して、右膝を内側に移動させます。さらに右股関節を外転(体の中心軸から外側に離れる動き)させながら左骨盤を挙上させます。

 

次の段階では、股関節の「外転」に加え「外旋」も強調します。例えば右脚で片足立ちなった場合は、体幹と骨盤を右に回旋させておきます。そこから、右足部を回内するのに連動して、体幹と骨盤を同時に左回旋させながら、左膝も左側に開いていきます。さらに右股関節を外転・外旋させながら左骨盤を挙上させます。

 

代償に伴った膝関節の機能的内反

股関節外旋筋群(=梨状筋など)に筋力低下がある場合、股関節は内旋位になります。股関節内旋位で膝の力を抜くと外反膝になりますが、膝関節を過伸展すると内反膝になります。

 

このような「内反膝」は、大腿骨内旋、足回内、膝過伸展が組み合わさって生じます。大腿骨が内旋した場合、膝の距離が離れ、下腿が弓なりになってしまうのです。この場合、股関節伸展・外転・外旋筋群を強化するポーズが効果的です。

 

参考)https://43mono.com/series/tsukarenai/shisei_vol25/

 

上記はすべて、「木のポーズ」で気を付けるとよいポイントにもなりますね!

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木のポーズで股関節の「伸展」はありませんが、股関節が常に無意識に「屈曲」となって「くの字」になっている場合が少なくありません。

 

尾骨を前に押し出すようなイメージで、股関節のシワを伸ばすように「伸展」方向へ動かすと、ニュートラルな骨盤が保ちやすいかもしれませんね。

 

#54 腰方形筋

 

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ヨガインストラクターのuriです。

 

今回のテーマは「腰方形筋」です。

 

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◻️腰方形筋とは?

腰方形筋は背中側で肋骨と骨盤をつなぎ、姿勢の保持や体幹の運動、呼吸に関わっています。脊柱の安定性に重要な役割を果たすというエビデンスも示されています。(McGill et al., 1996)。

 

腰方形筋の左右の硬さや筋力などのバランスがずれると、腰痛の原因になります。左右どちらかの腰方形筋のみが作用すると、作用した方に身体を倒すようになります。それにより骨盤の位置がずれたりもします。

 

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腰方形筋が腰痛を引き起こす状態とは、腰方形筋にトリガーポイントが出来ている状態です。このトリガーポイントとは、悪い姿勢による血流不良などの負担がかかり続け硬くなった筋肉、シコリを指します。

 

トリガーポイントが発生している場所に痛みが出現するのはもちろん、その部分以外にも痛みやしびれ、だるさを引き起こします。

 

例えば、こんな日常生活のクセが、トリガーポイントを誘発しているかもしれません。

・重いものを持ち上げる。または腰を曲げた状態で作業を行うことが多い
・後ろのポケットに財布を携帯することが多い
・片側ばかり振り返ることが多い。

・左右どちらかに身体を倒しながら作業することが多い
・頭より高いものを取ることが多い。または手を挙げて作業することが多い

 

日常的に片側に身体を倒しての作業が多い方は、片側の腰方形筋に負担がかかり続けていることになります。

 

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◻️腰方形筋を鍛えるヨガポーズ

いわゆる「コア」といわれる筋肉は、腰椎・腹壁筋群・背部伸展筋群・腰方形筋で構成されるそうです。個人的に、腰方形筋がそこまで重要な筋肉だとは知りませんでした・・!

 

たとえば歩行時に「中臀筋」は骨盤の左右への傾きを調節するのは以前の記事でも触れましたが、「腰方形筋」も体幹の前屈を制御して、前後左右への重心移動のコントロールを行っています。


腰方形筋と中臀筋は密接な関係があるため、中臀筋の機能不全があれば反対側の腰方形筋に過剰な負担がかかる可能性があります。

 

腰方形筋が、振出の脚を振り上げてステップを踏む際の骨盤の挙上を支えており、すなわち強力なコアが、身体の末梢部からさらに遠方に向かって筋力を発揮できるようにする(※)ということを示唆しているようです。参考文献)https://www.nsca-japan.or.jp/scj/20_4_30-42all.pdf

 

(※つまり股関節部で脚を振り上げ、つま先、さらにその延長線上である歩行方向へ筋力を発揮するという意味で理解しています。)

 

パリヴルッタジャーヌシールシャーサナは、脚を外転させながら、身体を側屈させます。「起始である骨盤部」へ向けて「停止である肋骨部」が近づく(=筋肉が収縮)するため、腰方形筋が活性化されると考えます。

 

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立位の側屈と、座位の側屈である「パリヴルッタジャーヌシールシャーサナ」を比較すると、以下のような相違点・特長がみえます。

 

① 開脚座位により股関節を外転することで、中殿筋が活性化されること
② 側屈の目標到達点(母趾)があること

 

①については、先述の通り腰方形筋と密接に連動する中殿筋を動かすことで、腰方形筋の動きもスムーズにする効果があります。②については、あくまでひとつの目安ですが「どこまで側屈すればいいのか」という指標になります。

 

一般的に聞きなれない?筋肉かもしれませんが、身体を効率的に動かす上で欠かせない重要な筋肉なんですね。

 

#53 ヨガポーズの順番

 

こんにちは。

ヨガインストラクターのuriです。 

 

今回のテーマは「ヨガポーズの順番」です。 

 

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◻️ウォーミングアップの順番
ストレッチは大きく二種類に分類することができます。静的ストレッチと動的ストレッチです。


文字通り「動的ストレッチ」は、動きを伴うストレッチを指します。ウォーミングアップ目的で実施するのが一般的です。脚や腕を様々な方向に捻ったり、伸ばしたりしながら、関節の可動域を広げて筋肉を伸ばしながら行います。

 

パフォーマンス向上や怪我の予防のために、「適度な」ストレッチを行うことが重要です。アーサナの前に疲労を感じるほどしっかりとストレッチをするのは、あまり有効ではありません。

 

なぜなら筋肉の中には、筋肉の収縮を感知する「筋紡錘」が存在し、この「筋紡錘」は過度にストレッチをすることで感度が低下して力を発揮できなくなるためです。

 

そこに気をつけた上で、股関節や肩甲骨を十分に動かし、筋肉の温度を上昇させます。筋肉を十分に動かすことによって体温を上昇させ、筋トレをする準備を整えるのです。筋肉が冷えた状態でストレッチをすると、怪我につながる可能性があるので気をつけましょう。

 

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静的ストレッチは、反動をつけず同じ姿勢で行うストレッチです。筋トレの後は体内に疲労物質が蓄積している状態であり、それらを排出しなければなりません。

 

筋トレの後に実施するのは静的ストレッチであり、温度が上昇した筋肉の疲労回復効果を得るために行います。体を可動域最大までの伸ばした姿勢を維持することで、筋肉に流れる血液の量が増加させて、疲労物質をスムーズに排出する効果が期待できます。

 

ストレッチのポイントは「まず末端部分の小さい筋肉から行うこと」。末端部の小さい筋肉からストレッチすると、筋肉が刺激され、全身の血流が良くなります。体がまだ目覚めていない寝起きや、運動前のウォーミングアップのストレッチは、指先や手先から首、アキレス腱、太もも、股関節、お腹や背中の流れでストレッチしましょう。

 

体を十分に伸ばした姿勢を20秒以上キープさせることが一般的です。

 

◻️アーサナ(ポーズ)の順番
ウォーミングアップを終えたら、次はアーサナです。その時のクラス内で強度や難易度が高いポーズを中心に組み立てるのが良いと考えます。


例えば「鳩のポーズ」は、腸腰筋や胸椎を後屈させることから、まずは体前面を弛緩させ導入することが必要です。鳩のポーズをとる前に、チャイルドポーズや、背骨を前後に動かすストレッチが有効かもしれません。

 

逆に前屈である「ダウンドッグ」をする前には、まずは体後面であるハムストリングスやふくらはぎを弛緩させると良さそうです。ハッピーベイビーやバッタコナアーサナは、無理なく股関節周りをほぐせるポーズです。

 

またヨガではあるアーサナで使った筋肉の反対側の筋肉に働きかけるカウンターポーズを上手く組み込むことでアーサナの効果を高め更に深くリラックスすることができます。

 

カウンターポーズとは、あるアーサナで使った筋肉の反対側の筋肉に働きかけるアーサナのことです。後屈である「コブラ」の後は、前屈である「チャイルドポーズ」を入れる、などです。

 

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楽しく快適にヨガをするためにも、レッスン前後のストレッチも丁寧に行いたいですね。

#52 左右のゆがみ

 

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ヨガインストラクターのuriです。

 

今回のテーマは「左右のゆがみ」です。

 

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◻️各ポーズからみる「左右のゆがみ」

戦士のポーズⅢでみる「左右のゆがみ」
片方を軸脚にしてバランスをとる戦士のポーズⅢは、左右脚の筋力差や柔軟性の違いが顕著に現れます。

 

私の場合は、右脚を軸にした時は左側へ倒れ、左脚を軸にした時は左側へ倒れることが多くありました。左右どちらを軸脚にしても「左側に倒れてしまう」ということです。

 

>右脚が軸の際は「右足小指で踏ん張る力が弱い」
最初に「右側臀部の柔軟性&筋力低下」を疑いました。イコール「臀部外旋筋がうまく作用していない」ので、小指側が浮きやすくなり、親指側に倒れこむというメカニズム、そのため左側に倒れるようにバランスを崩すのではないかと思います。

 

さらにこの「臀部外旋筋がうまく作用していない」という状態は「股関節の内旋」を招きます。それを強めた一因として「内転筋の筋力低下」も考えられます。筋力のバランスが「内転筋(内もも)<大腿筋膜張筋(外もも)」となり、脚全体が外もも側に引っ張られるのでは、と考えます。

 

>左脚が軸の際は「左親指で踏ん張る力が弱い」
上記の通り「右側の臀部外旋筋がうまく作用していない」ということは、右股関節の内旋が強いということになります。そのため、左脚を軸にしたときに、右股関節が左側へ倒れこみがちになるのではないかと考えます。


同時に、持ち上げた右膝が外に向いてしまうので、意識的に膝を真下に向けることが必要です。

 

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アルダマツエンドラアーサナでみる「左右のゆがみ」
「股関節に左右差がある」ということは、当然その上に位置する「骨盤・体幹部にも左右差」が生じます。


私の場合は、左方向の方が背骨を捻じりやすく、右方向だと少し腰部に詰まりを感じ、捻じりにくさを覚えます。「右股関節の内旋(左方向へ引っ張られるゆがみ)」も踏まえると、体幹も「左方向へ引っ張られ」ているように感じます。

 

すなわち、右の体幹が縮み柔軟性が損なわれるということです。右の体幹が縮むので、右肩が下がりやすくなります。脊柱の回旋は、腹筋群(特に内外腹斜筋)と関係しています。

 

さらに、内旋した右の骨盤は外側に開くので、私の場合は、左の骨盤よりも右の骨盤が後ろに開いています。そうすると、必然的に左の骨盤が前に位置し、そのため左の肋骨も前に出てしまっています。

 

プランクでみる「左右のゆがみ」

「無意識に利き手である右手足で体を支えていること」に気が付いてからは、意識的に左手足も踏み込むようにしています。普段から右側に頼って身体を支え、右側に重心が偏っていることを改めて感じました。

 

◻️「左右のゆがみ」を軽減するためには
以前投稿した記事「#40 筋力の左右差」でも「左右差」については触れましたが、特に「筋力」にフォーカスした内容でした。そのため解決法も「筋力が弱い側を優先的に鍛える」といったルールをご紹介しました。今回は「筋力」だけではなく「骨格のゆがみ」についても考えます。

 

上述の通り「骨格がゆがむ→骨格に付着する筋肉を使う強度や頻度に差が生じる→筋肉の大きさに差が現れる→筋力差が出る」というメカニズムであり、その点で双方関連する事項なのですが、どちらに焦点を当てるかでその解決アプローチも変わってきます。

 

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より根本的に解決するなら「骨格のゆがみ」を意識すること。そういった観点で、パーソナルレッスンでは左右のゆがみを可視化し、アドバイスさせていただいています。

 

#51 背中の筋肉

 

こんにちは。

ヨガインストラクターのuriです。 

 

今回のテーマは「背中の筋肉」です。 

 

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◻️背中の筋肉を整理・理解しよう
背筋は「浅背筋」と「深背筋」に分けられます。

 

「浅背筋」は、僧帽筋/広背筋/肩甲挙筋/小菱形筋/大菱形筋の総称。腕を動かすのに関与している筋肉で、体幹と肩甲骨や上腕骨を結びそれらを動かしています。

 

「深背筋」 は、さらに第1層 (棘肋筋)、第2層 (固有背筋)に区別されます。


・第1層 (棘肋筋)=上後鋸筋/下後鋸筋/深背筋  

「上後鋸筋」は、菱形筋の深層に位置する薄い筋肉。(薄い筋のため、力は弱い) 肋骨を引き上げ、呼吸の補助筋として働きます。
「下後鋸筋」は、広背筋の深層に位置する薄い筋肉。肋骨を引き下げる呼気筋として働きます。


・第2層 (固有背筋)=板状筋/脊柱起立筋(腸肋筋/最長筋/棘筋)/横突棘筋 

脊柱と頭を動かし、全体としては脊柱を直立させる筋肉。脊柱の両側にあり、仙骨から後頭部まで縦走する筋群で、胸・腰部では厚い胸腰筋膜に包まれています。

 

「脊柱起立筋群」は、脊柱を引き起こしたり、横に曲げたりします。最大の背筋で、腸骨・仙骨~側頭骨(乳様突起)に位置します。外側から「腸肋筋・最長筋・棘筋」と並び、3筋は協働して、脊柱を伸展・起立させます。一側のみが働くと側屈・回旋し、特に斜走する筋群は、腹壁の筋とともに働いて回旋します。


「横突棘筋」は、横にねじるような動きをするための最深層にある背筋「半棘筋・多裂筋・回旋筋」の総称です。半棘筋は頭頸部で発達がよく、脊柱を直立させ、頭を保持するのに重要な筋肉です。筋の長さは多裂筋>回旋筋で、前者は脊柱の伸展とわずかな回旋、後者は回旋を行います。


◻️肩甲骨の動きと、作用筋


・僧帽筋上部 (挙上・上方回旋)

・僧帽筋下部(下制・上方回旋・後傾)

・僧帽筋中部/菱形筋(内転・挙上・下方回旋)

・前鋸筋(外転・上方回旋・後傾)

・小胸筋(下制・外転・下方回旋・前傾)

・広背筋(下方回旋)

 

普段デスクワークなどでは「外転・挙上」しがちなので、それとは逆の「内転・下制」=頭や上腕を後ろに引く作用を意識することで、肩凝りの軽減や、疲れづらい姿勢がとりやすくなります。


ヨガのどんなポーズでも「内転・下制」を意識することが多いですし、コブラをはじめとした「後屈」のポーズは胸腰部の伸展(後ろに反らす)が目的ですが、肩甲骨周りを気持ちよくほぐせるポーズのひとつとして「パリヴリッタ・バラアーサナ(針の糸通しのポーズ)」が挙げられます。

 

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体の中心部分の関節や筋肉がうまく使えるようになると、体幹を使って動けるようになるそうです。まずは凝り固まった筋肉をほぐして、うまく使えるようになりたいですね!

 

#50 大腿方形筋

 

こんにちは。

ヨガインストラクターのuriです。

 

今回のテーマは「大腿方形筋」です。 

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◻️大腿方形筋と梨状筋
殿部深層にある「梨状筋・大腿方形筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋」の6筋を指して「深層外旋6筋」と呼びます。その名のとおり大腿を外旋させる働きをし、「まっすぐ立つ」「つま先を外に向ける」といった動作で使われます。

 

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以前「梨状筋」を取り上げましたが、今回は「大腿方形筋」を学びます。

 

その他4筋である「内・外閉鎖筋、上・下双子筋」は、基本的に「外旋」の作用のみであり(内閉鎖筋は内転作用もありますが)、6筋の中でもより強く作用する「梨状筋」と「大腿方形筋」を比較しながら理解していきます。

 

「起始・停止」で比べる
・梨状筋は、起始「仙骨前面」⇔停止「大腿骨大転子の上縁」

・大腿方形筋は、起始「坐骨結節」 ⇔ 停止「大転子の後面下部」

 

「大腿方形筋」は相対的に大きい筋肉ではないものの、強力な外旋筋。骨盤からほぼ水平に大腿骨に付着しており、骨盤から伸びる脚の、地面への着地角度に関わることから、両踵をしっかりつけてまっすぐ立つ作用があります。

 

「外旋」以外の作用で比べる
・梨状筋は、外旋と「外転」。

・大腿方形筋は、外旋と「内転」。

 

上記の通り、両者とも「起始は同じ骨盤部、停止は大腿骨」なのに、なぜその作用が「外転」「内転」と異なるのかを考えました。

 

「梨状筋」は起始の位置が高く、低位に位置する停止へ筋が繋がっているため、外転することで起始と停止の位置が水平になり筋肉が縮む、「大腿方形筋」はもともと起始と停止が水平の位置にあるため、内転させると起始と停止が近づき、筋肉が縮むのだろうと考えました。(個人的な見解です。)


◻️大腿方形筋にアプローチする
なかなか表層から触りにくい筋肉ですが、収縮する際(=内転時)のを触知できます。大腿方形筋周囲の軟部組織の滑走性をあげると股関節の動きがスムーズになります。

 

まず坐骨結節を触ります。大転子に向かって指3本分くらい触れるところがあるので、ここに対してただほぐしを入れます。坐骨結節に付着するハムストリングスが硬い時には、大腿方形筋をほぐすと効果的です。


股関節を内転させるポーズといえば・・ガルダアーサナやゴームカアーサナなど、脚を組むもの。

 

他には、骨盤・股関節を前額面(左右)でスライドさせるトリコナアーサナ。わかりやすく股関節を内転をしているわけではないのですが、側屈と逆側の股関節部は「大腿方形筋」の起始停止が接近しており、筋収縮が発生しているのでは?と考えます。

 

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ウォーミングアップでおなじみの「両膝をつけたまま左右に倒す」ストレッチは、体幹を中央に保ったまま行うと効果的です。その際に膝をスムーズに左右に倒せる場合は、この「梨状筋」と「大腿方形筋」のバランスが取れているといえるのではないでしょうか。

 

普段はその存在を意識しない筋肉を感じながらポーズをとると、より良い効果が得られるかもしれません!