#54 腰方形筋

 

こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。

 

今回のテーマは「腰方形筋」です。

 

f:id:uri-blog:20200721111918j:plain

designed by freepik.com

 

◻️腰方形筋とは?

腰方形筋は背中側で肋骨と骨盤をつなぎ、姿勢の保持や体幹の運動、呼吸に関わっています。脊柱の安定性に重要な役割を果たすというエビデンスも示されています。(McGill et al., 1996)。

 

腰方形筋の左右の硬さや筋力などのバランスがずれると、腰痛の原因になります。左右どちらかの腰方形筋のみが作用すると、作用した方に身体を倒すようになります。それにより骨盤の位置がずれたりもします。

 

f:id:uri-blog:20200721113025j:plain

 

腰方形筋が腰痛を引き起こす状態とは、腰方形筋にトリガーポイントが出来ている状態です。このトリガーポイントとは、悪い姿勢による血流不良などの負担がかかり続け硬くなった筋肉、シコリを指します。

 

トリガーポイントが発生している場所に痛みが出現するのはもちろん、その部分以外にも痛みやしびれ、だるさを引き起こします。

 

例えば、こんな日常生活のクセが、トリガーポイントを誘発しているかもしれません。

・重いものを持ち上げる。または腰を曲げた状態で作業を行うことが多い
・後ろのポケットに財布を携帯することが多い
・片側ばかり振り返ることが多い。

・左右どちらかに身体を倒しながら作業することが多い
・頭より高いものを取ることが多い。または手を挙げて作業することが多い

 

日常的に片側に身体を倒しての作業が多い方は、片側の腰方形筋に負担がかかり続けていることになります。

 

f:id:uri-blog:20200721112115j:plain

designed by freepik.com

 

◻️腰方形筋を鍛えるヨガポーズ

いわゆる「コア」といわれる筋肉は、腰椎・腹壁筋群・背部伸展筋群・腰方形筋で構成されるそうです。個人的に、腰方形筋がそこまで重要な筋肉だとは知りませんでした・・!

 

たとえば歩行時に「中臀筋」は骨盤の左右への傾きを調節するのは以前の記事でも触れましたが、「腰方形筋」も体幹の前屈を制御して、前後左右への重心移動のコントロールを行っています。


腰方形筋と中臀筋は密接な関係があるため、中臀筋の機能不全があれば反対側の腰方形筋に過剰な負担がかかる可能性があります。

 

腰方形筋が、振出の脚を振り上げてステップを踏む際の骨盤の挙上を支えており、すなわち強力なコアが、身体の末梢部からさらに遠方に向かって筋力を発揮できるようにする(※)ということを示唆しているようです。参考文献)https://www.nsca-japan.or.jp/scj/20_4_30-42all.pdf

 

(※つまり股関節部で脚を振り上げ、つま先、さらにその延長線上である歩行方向へ筋力を発揮するという意味で理解しています。)

 

パリヴルッタジャーヌシールシャーサナは、脚を外転させながら、身体を側屈させます。「起始である骨盤部」へ向けて「停止である肋骨部」が近づく(=筋肉が収縮)するため、腰方形筋が活性化されると考えます。

 

f:id:uri-blog:20200721112256j:plain

designed by freepik.com

 

立位の側屈と、座位の側屈である「パリヴルッタジャーヌシールシャーサナ」を比較すると、以下のような相違点・特長がみえます。

 

① 開脚座位により股関節を外転することで、中殿筋が活性化されること
② 側屈の目標到達点(母趾)があること

 

①については、先述の通り腰方形筋と密接に連動する中殿筋を動かすことで、腰方形筋の動きもスムーズにする効果があります。②については、あくまでひとつの目安ですが「どこまで側屈すればいいのか」という指標になります。

 

一般的に聞きなれない?筋肉かもしれませんが、身体を効率的に動かす上で欠かせない重要な筋肉なんですね。