#42 オンラインレッスン

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
昨今「おうち時間」が推奨されていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。この流れを受けて、従来以上に「オンラインレッスン」への需要が高まっているように感じます。

私もありがたいことに、1対1のプライベートレッスンや16名のオープンレッスンをご提供する機会をいただきました。
 

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「オンラインレッスン」を実際に経験してみて、結論からいうとメリットもあれば、もちろんデメリット(課題)もあると感じました。

 
メリット
お客様目線
・移動コスト(費用、時間、準備)が発生しないので、スキマ時間に最適
・必要に応じて画面をOFFにできるので、参加する心理的ハードルが低くなる
・疲れた時に、周りを気にせず自分のペースで休憩を取りやすい
 
インストラクター目線
・録画したレッスンをあとから見直せる
・そのため、お客様への姿勢改善のご提案がしやすい(以下画像)
・さらにインストラクションのブラッシュアップがしやすい
 

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デメリット(課題)
お客様目線
・直に見てもらえないので、ポーズが合っているか不安になる
・奥行が把握しづらい二次元画面だと、立体的にポーズを捉えることが難しい
・画面を横目で確認しながらポーズをとると、ヨガ(呼吸や内省)に集中しづらい
 
インストラクター目線
・触診が必要な場合に対応できない(例えば腹圧は、視診+触診で把握したい等)
・ムード作りが難しい(BGM、香り、光の調整など)
・画角設定が難しい(全身を映すとなると、カメラから遠くなる)
 
要約すると、お客様とインストラクターの双方にとって利便性があがる一方で、よりインストラクションの質が求められるということ。逆にいえば、インストラクションの質があがれば、上記のデメリット(課題)が大きく改善されると考えています。
 
「インストラクションの質」とは・・
・従来直接触れ「こうです」とお伝えできた「感覚的なもの」を言語化すること
・解剖学の知識をわかりやすい言葉に落とし込むこと
 

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こうした、タイムリーなフィードバックが得られる「オンラインレッスン」のほかに、
「録画済みのビデオレッスン(Youtube等)」もありますが、個人的にこれは上級者向けだと思っています。
 
動画を真似て出来ているように思っても、客観的にみると改善点が・・ということは少なくありません。間違った身体の使い方だと、効果が十分に得られないだけではなく、ケガをしてしまうリスクも起こりえます。
 
お客様に安心してオンラインレッスンを受講していただけるよう、今後も試行錯誤しながらスキルアップしていきたいと思います。
 

#41 私のヨガ勉強法③

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回は、ヨガや解剖学を学ぶ上で、参考にしている書籍をご紹介します。

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「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典/成美堂出版」
「ぜんぶわかる筋肉の名前としくみ事典/成美堂出版
 
これらはRYT200の養成時にオススメされた書籍です。当時は養成テキストだけで精一杯でしたが、あらためて一から読み直すことに。これが、とても興味深かったです!
 
まず「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」。
特に「一歩歩く」という動作の中で、作用する主筋肉が段階に応じて変わるというのは、なるほどなと勉強になりました。

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そして「ぜんぶわかる筋肉の名前としくみ事典」。
どの筋肉がどんな作用で働き、日常生活ではどのような動作か、がとても分かりやすいです。
特に肩甲骨と下肢。どの筋肉が外旋筋か等を知ると、インストラクションの意図が伝えやすくなります。
 
例えば下肢について一例を挙げると、戦士のポーズⅡ。
よく「踏み込む膝とつま先を、まっすぐ同じ方向に」とお伝えしますが、その理由は「この意識があるかないかで、刺激される筋肉が変わってくる」からです。
 
一度ポーズ中に、おしりの大殿筋や梨状筋あたりに手を当ててみてください。もし踏み込んだ膝をがつま先より内側に入ってしまっていたら、そこから外旋させ、つま先とまっすぐ同じ方向にセットしてみます。
 
するとゆるんでいた(刺激されていなかった)おしりの筋肉が、きゅっと引き締まるのが感じられるかと思います。
 
戦士のポーズⅡにおける踏み込む動作は、「屈曲・外転・外旋」。そして「大殿筋」や「梨状筋」は、まさに股関節の「外転・外旋」作用をもちます。
 
より深く踏み込み、太ももと床が平行になるところを目指し(=屈曲を最大化)、さらに膝の向きをつま先にそろえ(=外転・外旋を最大化す)ることで、外転・外旋の作用筋である大殿筋・梨状筋も、より強く活性化されてくると考えます。

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膝が内側に入っている時は、「外転・外旋」が最大限に作用しきれておらず、やや内旋・内転も作用してしまいます。
 
こんな少しの知識と意識をもつだけでも、得られる効果が変わってしまうんですね。
 

#40 筋力の左右差

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回は「筋力の左右差」について考えます。

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◻️左右差を改善する「ルール」
ヨガのポーズをとっていると「右の太もも(大腿四頭筋)が左よりも大きい」など、片側の脚や腕が、反対側より強いように感じませんか?この左右差を意識しバランスを調節することで、ヨガで得られる効果も効率も上がります。
 
左右の筋力バランスを整えるには「筋優先法」「弱い側先行」というルールがあるようです。これは「クラスの序盤などエネルギーレベルが高いときに弱点部位を鍛えるようにする」「体の片側だけを鍛えるトレーニングは、体の弱い側から始める」というものです。

特に大胸筋、広背筋、大腿四頭筋といった人体の中でも最大面積を誇るような筋肉を使用するようですが、基本的な考え方は以下の通りです。
 
・筋肉は鍛えたい部位からポーズをとる
・筋肉は大きな筋肉を優先に鍛える
 
クラスの前半は疲労が少なく集中できる状態にあるので、なるべくそのときに”集中力を必要とするポーズ”や”一番鍛えたい部位”または”苦手なポーズ”を行うようにします。そうすることで効果を最大限に高めることができるのです。
 
一方で、腹直筋や脊柱起立筋など、他のポーズを行なう際にも使われる筋肉を早い段階で過剰に疲労させてしまうと、その後に支障をきたすことも考えられるそうです。これらはあくまで左右差の改善に特化した一例なので一概には言えませんが、ポーズの順番は大切です。
 
トレーニングの順番は様々ですが、メインの筋肉を中心に大きい筋肉⇒小さい筋肉というのも1つの考え方です。例えば全身の筋肉を活性化するのであれば、脚の筋肉⇒胸・背中の筋肉⇒肩の筋肉⇒腹部の筋肉⇒腕の筋肉⇒ふくらはぎや前腕というようになるそうです。
 
「左右の筋力の差」は誰にでもある
初心者かベテランかを問わず、ほとんどの人には左右の筋力に違いがあります。まずは、ご自身の弱い側を見極めましょう!

ポーズをとるのが難しいと感じる側が弱い側です。弱い側が分かったら、弱い側からポーズをとりましょう。弱い側からポーズをとれば、強い側を先にやって疲れない分、弱い側に使えるエネルギーが増える、という理屈です。逆に筋力が強い側には、弱い側が耐えられないほどの負荷をかけないことが大切だそうです。
 
その程度を知るには「パーセンテージルール」が役に立つそうで、これを把握するには、それぞれの側が耐えられるウエイトの重さを記録すること。そうすれば、左右の筋力差がパーセンテージで求められます。例えば左側で6kg、右側で7kgのウエイトが使える場合、左右の筋力に17%の差があることに。
 
筋力差が10%未満の場合
「弱い側先行ルール」をシンプルに適用し、各セットで弱い側を先に鍛える。
筋力差が10%以上20%未満の場合
弱い側で余分に1セット。弱い側で4セットやるなら、強い側では3セットのみ。
筋力差が20%以上50%未満の場合
強い側での回数を弱い側の25%に。弱い側で8回なら、強い側では2回。
筋力差が50%以上の場合
差が縮まるまで弱い側だけを鍛える。
 

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ただし数字にとらわれすぎる必要はなく、ほとんどの人にとって10~20%の差があるのは普通だそうです。
 
この「弱い側先行」ルールは、左右の筋力バランスを整えるだけでなく、怪我のリスクを減らし、全身の筋力をまんべんなく強化するのにも役立ちます。豆知識程度に頭の片隅に入れておくと、どこかでお役に立つかもしれません!
 

#39 腰・膝への負荷

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回は「腰・膝への負荷」について考えます。

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◻️腰への負担
日常の動作や姿勢によって生じる、椎間板を押しつぶす下方向の力を「椎間板圧縮力」(単位/kg)と呼びます。この力が大きければ大きいほど、腰の障害が起こるリスクも上昇します。
 
様々な動作によって生じる「腰への負担」を比較してみると・・・

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「前屈」時は、かなり負荷がかかっていますね・・・。腰椎にかかる負担の約7割を椎間板が、3割を椎間関節が受け止めているといわれています。

 
また筋肉でみると・・・
安静座位では、腹直筋、多裂筋、最長筋の筋活動は低下。座位前屈では、多裂筋、最長筋の筋活動は安静座位と比較して増大。これは体幹を前傾することで椎間板と上部体幹重心の距離が離れ、モーメントアーム が延長したことで椎間板圧縮力が増大したためと考えられます。
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このほか、「くしゃみ」や「咳」も、瞬間的に椎間板に負担がかかり、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアを誘発することがあります。くしゃみによる椎間板圧縮力は、なんと最大237kg重にも・・・!くしゃみをするときは上体をやや後ろに反らせて直立性を維持するなど腰への負担を軽減しましょう。
 
◻️膝への負担
体重50kgの女性の裸足時におけるつま先へ重力が11kgで、この女性が7cmのハイヒール靴を履くと31.4kgの負担がかかります。
 
踵が高くなると体の重心は前方に移動し、バランスを取ろうとして膝を前に出すため、膝が前に出ると腰が引けた姿勢になり、腰が引けると頚椎を前に突き出す恰好になってしまいます。
 
不良姿勢となることで、体幹の重心と関節中心との距離が離れ、力学的な負荷が増加することが考えられます。
 
また、通常体重が1kg増えると、歩く場合は平地で3~4倍、階段の昇降で6~7倍の負荷が膝にかかると言われています。つまり、体重が3kg増えると、歩く場合は約9kg階段の昇降では18kgの重さが余分に膝に加わっているのです・・・!

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日常の何気ない動作や姿勢で、思いもよらない負荷がかかってしまっているんですね。(特に前屈・・・)パソコン作業や家事等で姿勢が崩れてしまうのは避けられないですが、定期的にヨガでゆがみを矯正したいですね。
 

#38 みぞおち


こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。

 

今回は「みぞおち」について考えます。

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◻️みぞおちの位置
腹部の上方中央にある、少しくぼんだ部位のことを言います。左右の肋骨が胸骨に付着するところであり、骨がない場所です。ここには胃や膵臓があります。
 
みぞおちには胸骨から剣状突起が伸びています。剣状突起とは胸骨の先端部分であり、ここには横隔膜や腹筋の一部が付着しています。

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前述したように、みぞおちには大切な臓器があるにも関わらず、骨という支えがないので、余計な力が入りがちです。そうすると呼吸が浅くなってしまうかもしれません。またみぞおちがぽこっとでている場合は、胃をはじめとする内臓を支えるための腹筋や背筋が衰えている可能性があります。

 

◻️みぞおちが固まってしまう主な理由

 
1.猫背や反り腰などの不良な姿勢
2.食べ過ぎや飲み過ぎなどの食事の乱れからくる内臓の疲れ
3.精神的・肉体的なストレスによる自律神経の乱れ
 
心当たりのある方は、おヘソから指4本上のみぞおちや、その周辺を押してみてください。固くなっていたり、押すと痛かったという方は、みぞおちにある腹筋(腹直筋)が緊張している可能性があります。
 
みぞおちが固まって腹筋が緊張している状態では、腹筋トレーニングを行ってもお腹が引き締まりづらいということです。
 
◻️みぞおちをほぐす!
お腹をほぐしてから、さらに脇と股関節を使えるように刺激してから腹筋を行うと、より効果的にお腹を引き締めることができるようになります!
 
1.へそから指4本上のみぞおちに指を当てる。
2.息を吐きながら、背中を丸め、指を奥に入れていく。
3.背中を丸めたまま、指でグリグリとほぐす。
4.鼻で息を吸いながら背骨を戻す。
5.これを3回ほど繰り返す。
 
みぞおちをほぐすことで、横隔膜の動きもスムーズになります。息を深く吐きながらお腹をへこませるときに、肋骨の裏側に指先を差しこんでみましょう。みぞおちの周りが硬くて入らない人は、できる範囲でOKです。呼吸を行っているうち徐々にほぐれ、指が入るようになり、肋骨の下をほぐすことで横隔膜の動きがぐんと良くなります。指が入りにくかったら、あおむけで呼吸してもOKです!

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「みぞおちほぐし」。ヨガやトレーニングの前に、ぜひ取り入れてみてください!
 

#37 寝姿勢

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回のテーマは「寝姿勢」です。

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◻️睡眠と姿勢の密接な関係
「仰向けだと、何だか落ち着かない」「何かを抱くと眠れるんだけど」・・・などなど。寝姿勢のクセがある方は、身体の歪みが原因である可能性が考えられます。
 
寝姿勢が悪いと、疲労の回復や次の日の体調に影響を及ぼします。何にも邪魔されずに休むことができる睡眠中に、適切な寝姿勢で身体の歪みを改善しましょう!
 
日中は仕事や家事など正しい姿勢を維持し続けることが難しく、こうした姿勢を続けていると肩や首の筋肉は緊張状態となり、骨盤や姿勢の歪みとなって現れます。
 
理想的な寝姿勢とは、立っているときの姿勢と同じ状態。
 
まず、仰向けになり後頭部、肩甲骨、お尻、かかとの4点がついている事を確かめてみましょう。どこかがついていないようであれば、背骨のS字カーブが崩れている証拠です。また、後頭部だけがつかない、後頭部と肩甲骨の両方がつかない方は、ねこ背の可能性大です。
 
もし「横向きが寝やすいと感じる」「何かを抱かなければ寝られない」場合は、身体を丸くすることで負担を逃している傾向にあります。このパターンの人は、身体の歪みによる反り腰やねこ背、過度な腰の緊張状態、枕の高さが合っていないがために、呼吸が浅くなるなどの原因が考えられます。

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「反り腰」の方が仰向けで寝ると背中が反って腰に負担がかかり、腰痛を引き起こします。対処法としては、膝の下にタオルを丸めた物を入れることで、反りの角度を緩和することができます。こうすることで、横向きでしか眠れない人も仰向けで眠ることができます。

 

◻️歪んだ背骨をリセットしてくれる「寝返り」
横向きになり、鏡で見たときにおでこ、顎、身体が一直線になっていることを確認してみましょう。その状態で大きな力を使わず、左右にコロコロと転がることができればOKです。
 
人間は寝返りにより骨格のズレを調整しているため、仰向けでも横向きでもスムーズに寝返りを打てるかどうかが大切なポイントになります。寝返りの打てない状態では、身体の同じ箇所に絶えず圧力がかかっているので、血行が悪くなり、身体の痛みや体調不良につながります。
 
◻️質の高い睡眠のために必要な要素
副交感神経を優位にすること」
深く眠るためには、日中に活発だった交感神経をオフにして、副交感神経を優位にする必要があります。夜中にトイレに起きるのは、実は交感神経のスイッチが切れていないせいで、腎臓や膀胱が働き、「トイレに行け」という指令が出ていることも要因の一つです。
 
「深部体温を下げること」
深部体温は内臓など体の中の体温のこと。朝目覚める頃から上昇を始め、昼間は高いまま、夜にかけて下降します。深部体温が下がると眠くなる仕組みが体にはあり、入眠時には手足から熱を放散して深部体温を下げています。
 
体を圧迫せず、血行にも良い基本の姿勢は「あおむけの大の字」。広い面で体重を支え、手足を広げているので、体に熱がこもりにくくなります。

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シャバーサナでも脇の下に「オレンジ一個分」のスペースをあけるのは、体の熱を逃がしやすくするためなのかもしれません。ただ体を冷やしすぎるのはよくないので、ブランケットも必須ですね。
 
睡眠の質を上げることは=生活の質を上げることを意味します。その日の骨格の乱れはその日のうちに正すことができたら理想的ですね!

#36 八支則

 
こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回のテーマは「八支則」です。

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◻️ヨガの語源
サンスクリット語の「ユジュ」が由来で、「結ぶ、つなぐ、統合」を意味しており、ヨガは「自己との調和」「心と体を結びつけるもの」として広く伝えられています。
 
これを実現するための方法論が「八支則」であり、これこそがヨガの特長です。ヨガをどのように、どこまで実践するかは各々の自由ですが、健やかに日々を送るために心身のバランスは欠かせません。
 
心身は相互に影響しあっています。一般的なフィジカルトレーニングでも「メンタルトレーニング」の重要性が言われていますが、その具体的な行動規範を明言化しているという点で、この「八支則」は、非常にロジカルな方法論だと思います!
 
現代人は意外と「心と体を結びつける」ことができていません。例えば、私たちは食べるときも寝るときも、仕事や家事のこと、雑念を考えて過ごしがちです。このような状態が続くと、なかなか心を休めるのが難しいですよね。「心と体を結びつける」とは、心が感じたままに行動すること。心を空にすること。例えば「歩くときは一心に歩き、食べるときは無心に食べ、眠るときは雑念なく寝る。」という具合です。(参考:中村天風から教わったやさしい瞑想法/沢井 淳弘著)

◻️八支則とは
❶ヤマ Yama(禁戒)
日常生活の中で、他人や物に対して慎むべき5つの心得。環境や人間が良い関係を保つために自制すべきこと。
 
アヒムサAhimsa
非暴力、非殺生。肉体的な暴力だけでなく、精神的な暴力、言葉の暴力も振るってはいけない。他人だけでなく自分自身に対しても、何事に対しても思慮深くあること。
サティヤ Satya
正直、誠実であること。自分の利益を守るためや、見栄を張って嘘をつかないこと。
心穏やかに、自分に正直に生きていれば嘘をつく必要もない。
アステーヤ Asteya
盗まないこと。他人の所有物を奪わないこと。独り占めしたり、欲張って必要以上に所有しようとしないこと。
ブラーマチャリヤ Brahmacharya
性欲や物欲、食欲、名誉欲などのあらゆる欲望と快楽に惑わされ、エネルギーを消耗しないようにすること。
アパリグラハ Aparigraha
執着しないこと。欲望に翻弄されず、何かを必要以上に所有しないこと。必要以上に所有し執着がわくことで、失うことへの恐怖や奪われるかもしれないという疑い、他人への嫉妬や怒りも自分の中に沸き起こってくる。
 
❷ニヤマ Niyama(勧戒)
日常生活の中で、自分に対して守るべき5つの心得。自分自身と良い関係を保つために進んですべき自己鍛錬。
 
シャウチャ Shaucha
自分自身の心身や、身を置く環境を清潔に保つこと。
サントーシャ Santosha
与えられた環境に感謝し、満たされていることに気付き満足すること。
タパス Tapas
努力すること。鍛錬すること。
スワディヤーヤ Swadhyaya
自分の心を良い方向へ導いてくれる書物を読み、向上心を持って学習すること。
イシュワラプラニダーナ Ishvarapranidhana
感謝の念、献身的な気持ちを持つこと。

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❸アーサナ Asana(坐法)
ヨガポーズ。瞑想に適した「安定して快適な座法」を身につけるための練習。

❹プラーナヤーマ Pranayama(調気)
呼吸と体・心を繋げることに意識を向けること。

❺プラーティヤハーラ Pratyahara(制感)
感覚への意識を深め、コントロールすること。

❻ダーラナー Dharana(疑念・集中)
一点集中。意識を特定の対象物に長時間向け、心を集中させる状態。

❼ディヤーナ Dhyana(無心・瞑想)
瞑想状態。積極的に集中することもなく、深い静かな精神でいられる状態。

❽サマーディ Samadhi(三昧)
ヨガの最終目標。解脱や悟りとも言われ、瞑想が深まり、集中の対象との一体感を感じている状態。心の平静を保つ精神的な喜び。
 
最初の2段階「ヤマ」「ニヤマ」は、マットの上で練習する以外のヨガ、日常生活で取り入れたい心得。次に続く「アーサナ」「プラーナヤーマ」「プラティヤハーラ」。最終的に「ダーラナ」、「ディアーナ」、「サマーディ」の3段階で瞑想の練習を開始し、心の調整を行っていきます。
 
ヨガには修業的な側面もあるため、哲学の学びの深さについて個人差もありますが、ヨガの基本理念の一つに「人生観の自由」があります。
 
ご自身の生活にあわせて解釈し、実践することも自由であると考えられますね。