#47 ヨガに足りない要素とは?


こんにちは。
ヨガインストラクターのuriです。
 
今回のテーマは「ヨガに足りない要素とは?」です。
 

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◻️そもそも「ヨガで得られる効果」とは?
ある日SNS上で、とあるトレーナーさんのとある投稿が目にとまりました。
(いつもはこの方の投稿で、ありがたく勉強させていただいています・・!)
 
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ヨガ・ピラティス・ストレッチだけでは足りない要素がある。
・ヨガピラティス/姿勢保持筋力UP・インナーマッスル力UP・呼吸筋力UP
・ランニングジョギング有酸素運動・足裏からの刺激・筋持久力UP・呼吸筋力UP
・筋トレ無酸素運動・筋力UP
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この方の考えによると、ヨガでは【足裏からの刺激】【筋持久力UP】【有酸素・無酸素運動】の効果が得られないということになります。本当にそういえるのか?気になったので、今一度考えてみました。
 
たしかに一口に「運動」といっても「ヨガ・ピラティス」「ストレッチ」「ランニング・ジョギング」「筋トレ」など様々な種類があり、それぞれ特化した効果が得られると思います。
 
そこでまずは「ヨガの運動プロセス」を図式化してみました。【】の部分が、先述の「ヨガでは足りない要素」とされていた部分です。
 
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呼吸と姿勢の改善→柔軟性の改善(可動性の改善)→呼吸筋UP→姿勢保持筋&【足裏からの刺激】→インナーマッスル→【筋持久力UP】→心肺機能UP→代謝UP
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【足裏からの刺激】は、ヨガで十分得られると考えます。いつもレッスンで意識している「足裏3点のアーチ」です。【筋持久力UP】も、ヨガで得られると考えます。ポーズをキープするときに、持久力が養われます。
 
では【有酸素・無酸素運動】についてどうでしょうか。かなり大雑把にざっくり説明すると、【有酸素運動】は酸素を使う運動を20分以上すること、【無酸素運動】は酸素を多く使わない運動を1~3分することです。
 
そしてヨガのクラスでは一般的に60分間、上記のサイクルを意識しながら構成されています。安定した腹式呼吸を意識しながら酸素を取り込み、脂肪が燃焼し始める20分以上動くヨガは、【有酸素運動】といえそうです。またクンバカ(プランク、板のポーズ)など呼吸量が減るポーズもあることから【無酸素運動】の要素も加えられそうです。
 
◻️「有酸素・無酸素運動」をもう少し詳しく
有酸素運動は、インスリンの働きを良くし、血糖値を低下させます。「酸素」を燃料として、「体脂肪」を燃焼させます。
 
20分以上で脂肪燃焼・・!というのはよく知られているかと思います。運動開始20分までで使われる脂肪は「血中の脂肪」。 これはこれで血液がサラサラになるため、健康維持のためなら十分です。
 
が、脂肪細胞を減らすためには、もう少し続けます! 運動開始20分後から使われる脂肪は「内臓・皮下脂肪」です。リパーゼという酵素で、少し汗ばむくらい体温が上がってくると、活性化します。
 
ですが無理に頑張りすぎると「糖質(グリコーゲン)」ばかり多く使われ、「体脂肪」がうまく燃えなくなってしまいます。
 

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一方で無酸素運動は、「速筋(白筋)」を鍛えることができます。速筋は加齢にともない萎縮しやすく、健康や体力の維持のために欠かせない筋肉です。
 
無酸素運動とは運動中に呼吸をしていないということではなく、筋を収縮させるためのエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことからこのように呼ばれています。
 
酸素ではなく、筋肉に貯めておいた「糖質(グリコーゲン)」をエネルギーとして使います。※筋を収縮させるための直接的なエネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP)
 
その過程で乳酸を生成するので、短時間で疲れやすく強度の高い運動が持続できる時間は1~3分程度です。短時間ですが、大きな力を発揮したりや速い運動を行うため、筋線維の中でも特に速筋(白筋)が使われます。
 

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◻️ヨガの足りない部分とは?
筋肉を大きくするためにもっと高負荷をかけたい!という方や、腕など一部の筋肉だけを集中的に鍛えたいという方には、少し物足りないかもしれません。また体が固い方にとっては、ヨガレッスンに参加するハードルがやや高いかもしれません。(本当はそういう方こそ、ヨガで柔軟性を徐々に高めていただきたいのですが・・!)
 
しかし【体のゆがみからくる不調を改善したい】【ボディラインをキレイに整えたい】という想いがある方は、やはりヨガやピラティスがよい方法なのかなと思います。
 
まずヨガの特長として挙げられるのは【呼吸にフォーカスすること】。安定した呼吸にあわせてポーズをとることで、呼吸筋(いわゆる体幹)が鍛えられます。さらに体の緊張がほぐれ、柔軟性も改善されていきます。
 
次に【姿勢(アライメント)】。ニュートラルな姿勢を意識しながら、骨格や筋肉の整合性をあわせていきます。関節がねじれたまま運動して、ねじれた状態のまま筋肉がつくのがよいことなのか・・というと、当然良くなさそうですよね。筋トレの場合は、やはりトレーナーのフィードバックをタイムリーに受けるのが安全だと考えます。
 
また【ヨガの哲学】も、特長といえるかもしれません。ヨガは「人と比べない」「否定しない」「無理しすぎない」が基本のスタンスです。前述の「頑張りすぎると体脂肪が燃えない」という点にも繋がるかもしれません。(ヨガ哲学はまだまだ勉強不足ですが・・)

あらためて考えてみたときに、ヨガは適切な呼吸+ニュートラルな姿勢を意識しながら、まず体のゆがみを自覚。その上で、無理なく筋力を向上し、代謝を上げる、という好サイクルなんですね。